眞殿さんの今月の本棚-54(2013年2月分)がブログリリースされました。
http://kanazawalibrary.blogspot.jp/2013/02/5420132.html
なお、『揚陸艦艇入門』では、上陸用舟艇の開発は日本軍によるものであり、アメリカ軍がそれを真似たことがきちんと指摘されています。
『中国人民解放軍の内幕』は、内容の信頼性(事実と事実の解釈)が高いようです。

<今月読んだ本>
1)揚陸艦艇入門(大内建二);光人社(文庫)
2)アメリカは日本経済の復活を知っている(浜田宏一);講談社
3)ドイツものしり紀行(紅山雪夫);新潮社(文庫)
4)中国人民解放軍の内幕(富坂聡);文芸春秋社(新書)
5)In Command of History(David Reynolds);Random House
なお、眞殿さんは、『中国人民解放軍の内幕』を呼んだ動機を、そのブログで、次のように記している。

中国人民解放軍の内幕
1945年(昭和20年)小学校(国民学校)に入学。初めての夏休みの終わる頃にはソ連軍が進駐して来た。
続いて国民党軍(蒋介石軍)が満州の首都、新京(現長春)の支配者に変わるが、直ぐに八路軍(共産党軍;パーロ)に追い出される。
翌年7月の引き揚げまで、三度変わった為政者の中で、八路軍は規律もよく、街の治安も確りしていた。
日本人にも親切で、子供たちは彼らに付いて歩き回り、銃を撃つのを間近に見ることさえした(市外に居る国民党軍への物資補給の輸送機を歩兵銃で撃つ。無論当らない)。
この八路軍が人民解放軍の中でもエリート軍集団になっていったことは後年父から知らされた。
一昨年の巡視船への漁船体当たり事件に発した尖閣諸島を巡る緊張状態は、昨年の同島国有化を契機に一気にエスカレート、週刊誌などでは軍事衝突さえ間近と煽り立てる。
しかし、中国外務省の見解はしばしば報道されるものの、軍は黙して語らない。何を考えているのだろうか?これが本書への第一の関心事。
第二は学童時代の微かな印象と現在の中国経済発展のギャップに関することである。
ソ連軍、国民党軍は強盗・殺人したい放題、身近にそれを体験もしている。
それに引きかえ八路軍の清廉潔白さは際立っていた。
あの時代の中国人民が共産党支持に回ったのは、ここにあったはずである。
あれから60余年、経済は資本主義に転じ、沿海部だけとれば、多くの人々は先進国と変わらぬ生活を享受、拝金主義がいたるところに蔓延っている。
こんな社会情勢下で兵士たちは今でも清貧の心を失っていないのだろうか?農村の変わらぬ貧しさに感ずることはないのだろうか?政治の在り方を見直そうとする動きはないのだろうか?